- colobockle

aotoao2004-12-22

〜 感性を通じて出会った音楽 〜

asuna
organ leaf
object set and motion



昔、小学校などにあった空気オルガンを覚えていますか?
大きな、古い古いオルガンです。

その、ふわふわした音に
風景の断片のような音、街の音や、海の中のような音
子供の声や、動物たちの鳴き声がところどころちりばめられ、
遠い記憶を呼び覚ますような音楽。
アスナの曲は風景に溶け込んでゆくような透明感のある音です。
聴いていると外の音やいわゆる騒音といわれる
車の音や、ヘリコプタ−の音など、
その時、一瞬の偶然の音も曲と一体化しひとつの作品に思えてくる。
他の物事を考えながらも、
頭の端にある遠い意識が音を聴いている、不思議な錯角になっていきます。


アスナと出会ったのは最近の事ですが、
彼はお話を音で表現する人、
私はお話を絵で表現する人、
そんな共通点からギャラリ−の方がアスナとコロボックルをセッティングし
クリスマスの日にライブを開催することになりました。
コロボックルの絵の世界をアスナはどんな音で表現するのだろう?
私は楽しみでなりません。


アスナは私に「演奏会の日に楽器をひいてみますか?」といいました。
私は、音楽を聴くのは好きですが弾くことができません。
しかし、アスナは自分自身、楽譜も読めないし楽器という楽器も弾けないというのです。
感覚的に作っていく音が重ねあわされた音楽。
アスナの曲を演奏する人たちも、皆初心者の方ばかりにお願いするそうです。
楽器をひいたり、曲をつくることができたらどんなに
すばらしいことだろうと思っていた私のような人間にとってはおもしろいお話で
音楽の特別な知識がなくても曲を作ることができることを教られました。
現に彼は、スペインのレーベルからCDを出していたり、
フランスやイタリア、カナダなどの作曲家と共に
コンピレーションアルバムにも多数参加している作曲家です。


そんな世界から生まれるアスナの音たちは
不思議な心地よい想像の世界へと引き込んでくれます。






colobockle (http://www.colobockle.jp/)

プリンツ21』(2005年春号)誌上より転載。(2004.12.22)