- asuna

asuna


' flowers '
1. Rainy Garden
2. Dandelion
3. Catnap of a White Rose
4. South Orchid
5. Courtyard In Junier Highschool
6. Blue Daisy
7. Forget Me Not
8. Cut Loqut Tree
9. Utrecht
10. Holland Garden
11. Clover
12. Tulip


label - Music Related myspace


Saiko Kimura : cassette tape (1), humming (3), bird whistle (9), harmonica (9), voice (10), xylophone (10), tulip sheet (12)
Nao Harakawa : casio tone (1), toy piano (6)
Yasuyo Toi : voice (1), clarinet (6)
cover paintings by Mitsumasa Anno 安野光雅『空想工房1972』より



review
マルチ・プレイな才能と様々な音楽的側面を併せ持つ音楽家アスナ。ギターやオルガンによる「ドローン・サイド」なキャリアの集大成的アルバム『This』もまだ記憶に新しいところですが、トクマルシューゴやAUSなど日本人アーティストのリリースも多いNYのレーベルから早くも新作をドロップ。今作ではセカンドの『Room Note』のような様々なエレクトロニクスと遊び心溢れる「宅録サイド」的な楽曲を中心に、実験的な電子音のコラージュ、自然の風景を想起させるかのような音響的アプローチ、暴走して洪水化するノイズ、そして目をみはる深く美しいアンビエンスまで実に振り幅の広い、充実した内容となっています。毎曲異なった表情を見せつつも一定の体温と穏やかな空気の流れを保ちながら進んでいく今作は、絵本作家の安野光雅の『空想工房』より起用されたアートワーク同様に、どこか懐かしみと温かみで胸をいっぱいにしてくれます。
■ 星野真人 - 『クッキーシーン VOL.71』2009年06月号 誌上より転載。


"ポストロック時代の日本で生まれ変わった寡黙なニック・ドレイク"(筆者命名)ことasunaの99年から07年までの音源をまとめた' flowers '。前作' THIS 'より' Room Note 'の続編的な、数名の仲間と室内で無造作に音を出し合った瞬間をパッケージ化したような内容なので趣味性は強い。だが、自身と向き合うような内向きの目線は解放されている。レーベルはトクマルシューゴの初作を出したニューヨークのインディーズ。
岡村詩野 - 『ヒアホン VOL.2』2009年06月号 誌上より転載。


アンビエント・ドローンの超大作をリリースしたばかりのasunaが早くも新作を発表。牧歌的と形容されることの多い彼の作品だが、今回はジャケットのイメージそのままの、子供がさまざまな音を鳴らして無邪気に戯れているかのような奔放な内容に。それは聴く人をアンビエントでまどろませ、人肌を感じさせる音響でノスタルジックな音像を創出する知性と技術を兼ね備えた、子供の心を持つ大人の確信犯的な仕業なのです。
■ 大久保洋二 - 『bounce』2009年06月号 310号 誌上より転載。


トクマルシューゴのファーストやルミナスオレンジなど、邦人アーティストのリリースでも知られる、米music relatedからの新作。オモチャ楽器やチープな機材を多用し楽しげな世界観は、前述の「THIS」とは異なる「ごちゃごちゃ系」の傑出した最新の成果である。課外活動からも伺えるフォークミュージックへの接近や、サンプリング、ローファイながらもそこはかとなくホーリーな歌ものなど、種々の要素が混在する自由な音楽で、雑多。賑やかな雰囲気のトイミュージックが好きな方には、asunaの希有な柔らかい音世界への導入編としてお勧め。
■ mcatm - 『TRASH-UP!!』03号 誌上より転載。


Asuna has previously released music on such esteemed imprints as Lucky Kitchen, Spekk, and/OAR and Apestaartje, and now this third album arrives via the Music Related label. Hailing from Nogoya, Japan, Asuna’s musical aesthetics might be regarded as comparable to the music of compatriots like Takeo Toyama, Aus or Cokiyu, also fitting in with the sort of miniaturised, melodic electronica releases we’ve come to expect from the Flau camp. Using found sounds, toy instruments and a variety of digital treatments these pieces range from slow-building song collages (’Rainy Garden’) to chaotic sample-based compositions like the field recording-based hip hop of ‘Courtyard In Junior High School’. There’s always a keen sense of fun and liveliness to these songs, and that even extends to the more penive music here: eleven minute micro-droner ‘Forget Me Not’ sounds like a Janek Schaefer composition made with the sound of fizzy drinks jostling alongside vinyl crackle. Lovely.
■ boomkat.com


トクマルシューゴやausなど日本人アーティストの作品も多数輩出するアメリカ・ニューヨークのレーベルMusic Relatedからasunaの新作が登場。2008年、HEADZから2枚組の大作『THIS』がリリースされたばかりのasunaですが、今作は 1999年から2007年頃までの古い音源を中心にした作品とのこと。これまでの作品の中でも特にユーモアな選曲と配置からなる愛くるしい雑多さが全体に広がります。当時、2003年くらいかなあ?僕がasunaというアーティストに対して持っていたドローンアーティストなんていう位置づけが、彼のほんの一部分にしか過ぎなかった事がこれを聴くと本当によく分かる。ドローン、アンビエント、トイトロニカ、ぼのトロニカ、エクスペリメンタル、フィールドレコーディングなど、彼のサウンドワークの全てが見事なバランスで彩られた作品。近年のAsunA名義でのライブやshibata & asunaでのアプローチを思わせるような、フィールドレコーディングのサンプリングループとローファイなヒップホップマナーなドラムが掛け合わさる『Courtyard In Junier Highschool』なんかを聴かされちゃうと、何やらせても、ほんとセンス良すぎ!と惚れ惚れします!!様々な楽器による牧歌演奏とキッチュなデジタル音の混在が実に愉快でスリリングな楽しい脳内サウンドピクニック!画家の木村彩子、畔の戸井安代と原川奈緒が参加。ジャケ画は絵本作家、安野光雅の『空想工房』より。
■ 『magic book records』ウェブサイト上より転載。



shop
(Tokyo) - LOS APSON? / 円盤 * / gift_lab / 吉祥寺 TONE / Tower Record 新宿店 9F / Tower Record 渋谷店 5F / Tower Record 町田店 / Tower Record 池袋店 / Tower Record 八王子店 / HMV 渋谷店 3F / HMV 銀座インズ店 / HMV I.F.C / HMV 池袋店
(Nagoya) - file-under record / SOUND BAY REPUBLIC 上前津 / Tower Record 名古屋パルコ店
(Kyoto) - 恵文社 一乗寺* / パララックス・レコード / ART ROCK NO.1 / Tower Record 京都店
(Osaka) - K2 RECORDS / Tower Record 梅田大阪マルビル店 / Tower Record 梅田NU茶屋町店 7F
(Nara) - pastel records *
(Niigata) - book of days *
(Shizuoka) - sone records / Tower Record 静岡店
(Kouchi) - terzo tempo
(Fukuoka) - Tower Record 福岡店
(Hokkaido) - Tower Record 札幌ピヴォ店
(Yamagata) - ミュージック昭和 1F ソフトフロア
(Tochigi) - Tower Record 宇都宮店
(Toyama) - Tower Record 高岡店
(Ishikawa) - Lykkelig *
(Matsumoto) - tonico
(Tottori) - Borzoi Record *
(Online) - magic book records * / boomkat *
(Distribution) - p*dis *



asuna - www

- asuna

HEAR-PHONE vol.1

1: 2: 3: 4: 5:

1:Isengrind, Twinsistermoon, Natural Snow Buildings "The Snowbringer Cult" (students of decay)
2:Area C "Charmed Birds Against Sorcery" (students of decay)
3:Jon Mueller and Jason Kahn "Topography" (crouton)
4:Jim Schoenecker "Rime" (topscore USA)
5:タナカ "tanaka3" (tori label)

シンシナティを拠点とし、自身もルート・ストラータからアルバムをリリースしているアレックス・カッブによる新興レーベル、スチューデンツ・オブ・ディケイからの2枚組"The Snowbringer Cult"。1枚目はイーゼングラインドとツインシスタームーンが前後半を分け合い、2枚目はその両者によるユニット、ナチュラル・スノー・ビルディングスのアルバムとなっている。いずれも暗黒アンビエント・ドローン&アシッド・フォークな楽曲群だが、全編に渡って聴かれるSolange Gularte嬢による幽玄的で暗鬱な歌声が寂れた叙情性を醸し出している。一方、レーベル最新作であるアレアCの"Charmed Birds Against Sorcery"は、ギターを素材としたスキップ音や持続音が心地良く配置された作品。今後スチューデンツ・オブ・ディケイはジュエルド・アントラーやラスト・ヴィジブル・ドッグの流れを汲むレーベルのひとつとして要注目。次は、先頃コレクションズ・オブ・コロニーズ・オブ・ビーズのメンバーとしても来日していたジョン・ミューラーとジェイソン・カーンによる"Topography"。このデュオによる前作は紙だけ(!)を使った作品だったが、今回は両者とも本来の打楽器を使った演奏となっている。とはいえ、エレクトロニクスの音によってドラムを共鳴させ、それによって得られる振動音の推移をドローンで聴かせたりとやはり一筋縄ではいかない作品。同じくコレクションズ・オブ・コロニーズ・オブ・ビーズのメンバーでもあり、トップスコアやレンジといった電子音響中心のレーベルを運営しているジム・シューネッカーのソロ作"Rime"は、様々なパルス波が淡々と切り替わってゆくまさにタイトル通りの作品。最後は、2004年以来リリースが途絶えていた鳥取のトリ・レーベルから突如発表されたタナカによる新作"tanaka3"。儚くもドリーミーな歌曲のタナカ節は健在。CDは今のところホームページ(http://www2.ocn.ne.jp/~toriweb/)と、トリ・レーベルの盟友ボルゾイの前垣氏が先月から鳥取市にてスタートさせたばかりのレコード店、その名も『borzoi record』にて入手可能。






□ ASUNA

『ヒアホン』第一号への寄稿文より転載。(2009.03.03)

- image x inage

IMAGE x INAGE イメージ・イナゲ


千葉市民ギャラリー・いなげでの『IMAGE x INAGE』展にASUNAが参加しました。
■ 出展作品 / Exhibiton : 「EACH ORGAN」「fixedexposure photograph」






IMAGE x INAGE
■ 出展作家 / Exhibiton : 浅野耕平 / ASUNA / 斎藤美奈子 / 佐藤実 (m/s, SASW) / 鈴木泰郎 / 中居伊織 / 吉田重信 / 無縁寺心澄
■ 会場 / Place : 千葉市民ギャラリー・いなげ / Chiba City Gallery Inage (http://www3.plala.or.jp/gallery-inage/)
■ 会期 / Session : 2009年1月14日(水)〜1月25日(日) / January 14 - January 25 , 2009
■ 観覧料 / Admission Fee : 無料 / Free
■ 開館時間 / Hours : 午前9時〜午後5時15分 / 09:00 - 17:15
■ 情報 / Information : 千葉市美術館 (http://www.ccma-net.jp/event_end/event_03_2009_1.html)

- hanauo

ダークかつカラフルで、決して大仰にはならない絶妙な録音物を作り上げるハマの特殊女性ロッカー二人組のhanauo。結成から10年。練りに練られた膨大な音源の中からこの度ようやく初のCDとなる"ear sugar"をao to aoからリリース。そのマイペース(過ぎる?)な音楽活動と同じくインタビューもネット上でゆっくり(過ぎる?)と進められていたが、約4年振りとなるライブを目前に、ここにようやくひとまずのまとまりをみた(半ば強引に)。初のhanauoインタビューです。

■ hanauo インタビュー(聞き手:aotoao)


aotoao:二人とも元々から横浜で活動をしていたんですか?ハナウオの前にやってたバンドとかあるんでしょうか?


マミコ:別に私もリコも横浜出身ではないけれど、横浜の大学で知り合ってから一緒にバンドを始めて、でもそれは私とリコ以外は別に固定のメンバーって感じでもなく、オリジナルの曲も作ったりしていなかったんです。でもあるとき、オリジナルの曲をやりたいって思い立ち、私とリコのほかにもう一人ベースの女の子を入れて「86(エイティ・シックス)」ってバンドを組みました。それが前身バンドってことになるのかな。ま、パンクというかガレージっぽいバンドでした。半年か1年くらいはそのバンドをやってたと思うんだけど、ベースの女の子がたしか留学したいって話になって辞めることになって。ほかに誰かを入れてバンドを組み直すかどうかを考えたときに、リコといろいろ相談しているうちに、ギターとドラムだけだけど、その方が面白いんじゃない?って。


リコ:えーと、そう、マミコとは大学で同じクラスで学籍番号が続きだったんだよね。福井(マミコ)さんと福田(リコ)さんで。「86」は約1年くらいしか活動してないけど、ちゃんと録音もしたんだよね。4トラックのカセットのMTRで。録り直しまくりでモコモコな仕上がりだったけど。今では考えられないけど叫ぶ曲とかもあって、若かったねえ…。ハナウオを始めた98年ごろにはMDのMTRを手に入れて、演奏が決して上手じゃない私たちにとっては何度も取り直せることがすごく画期的で、ライブはさておき録音バンドとしてならむしろ自由に活動できるかも、って思ってました。


aotoao:その録音バンドとしてスタートしたっていうことがハナウオの初期のカセットテープにも随所にあらわれていて、ダークでサイケな雰囲気にも関わらず電子音やサンプラーの打ち込みがあるっていうのが面白かったですね。当時は打ち込みが入るバンド系だとポップなものか逆にアヴァンギャルド寄りなものばかりだったので、その中ではハナウオの録音物はちょうど良いバランス感で電子音を溶け込ませていて、ポストプロダクションの面白さがうまく表現されていたというか…。そして2000年前後に音楽雑誌のAFTERHOURSのボーナスCDに3度にも渡ってハナウオの楽曲が収録され、それで注目を集めたわけですがなにか周りからの反応や評判などリアクションはたくさんありましたか?


マミコ:私たちはほんとになんというのか、何にも音楽的なことの基礎もないし本当に感覚だけで手探りで曲作りをしてたこともあってか、結構無茶な曲も多かったんです。前身のバンドでは、ひどい言われようをしたこともあったし…。でもその後、ハナウオとして仕切りなおしてスタートしたときに、自分のやりたい音楽が大分整理できて来たというか、前よりはずっと手ごたえがあったんです。AFTERHOURSにテープを送ったのは、ハナウオとして最初にデモテープを作ってすぐなんだけど、それが取り上げられて、良いコメントをもらえたのは本当に嬉しかったし、驚きもしました。でもその後に周りの評判が変わったかというと、そういう感覚はあまりないんだけど、ポツポツと、気に入ってくれる人が現れることはありました。あくまでポツポツと、ですけど。


リコ:最初のデモテープの時は「わかんない」って人と「いいね!」って人の評価が両極端でおもしろかったですね。私としては、とにかくできるだけ妥協のない作品を作りたい、まず自分が満足したいって思いが強かったので、テープを作った時点で、もちろん演奏はヘタですが納得いくものができたってことで満足しちゃってたので、そこにある程度の評価がついてきたことには驚いたし嬉しかったです。ライブやりませんかってお誘いもちょくちょく来るようになっていたけど、ハナウオの曲はライブのことを考えずにつくられているので、毎回ライブには四苦八苦で未だに苦手意識があります。


aotoao:たしかにハナウオは録音物でのアレンジの妙が伝わってくる曲構成が特徴ですよね。今回のCDには未収録ですが、ペイヴメントの”fight this generation”のカヴァー曲など、原曲と比べてみるとすごく暗くて展開が変だったりと、サイケデリックな雰囲気のバンドでありながらもそのようにレコーディング主体のユニットであるというところがハナウオの大きな魅力だと思います。じゃあ最後にバンド名の由来は?的な話でも…。


マミコ:漢字で書けるようなものが良かったんだよね。最初は漢字で「花魚」って表記してたし。あとはやっぱり花と魚の組み合わせが面白いというか不思議な雰囲気があるからかなぁ…。