- ASUNA

ASUNA


' THIS '
(those disc)
1. Doze Morning Kitchen
2. February Papaver Ripples
3. Blurred Manta Ocean
(these disc)
1. Distant Month Old
2. Four Days Before
3. So Far Weeks


LABEL - vectors/HEADZ


ASUNA : recordings, composition



REVIEW
音響派以後のエクスペリメンタリズムのありとあらゆるメソッドを総動員し、更に未来の、未知の「耳」へと送り届ける、アトラクティヴかつインテンシヴな、メタ・ドローン・ミュージック。
童心と理知を、繊細さと破天荒を、美しさとノイズへの感性を、同時に併せ持った、唯一無二の独創性を孕む、音、音、音。
この途方もない傑作によって、ようやくサウンドアートの新世紀が幕を開ける。
佐々木敦 (HEADZ)


日本が誇る「音響派」の末裔、アスナ。活動の幅は多岐に渡るが、これは、自身が最も得意とするドローンをこれでもかと言うほど収録した決定的二枚組。オルガン、ギター、電子音といった様々な雫が、大きな河を成していく流れは圧巻そのもの。管弦楽団を率い、30分近くの壮大な物語を聴かせる「Four Days Before」は暴力的なまでに美しい。
■ 南波一海 - 『STUDIO VOICE』 2008年12月号 誌上より転載。


「音の波紋、深い鼓動。」  2003年の『Organ Leaf』で正式デビューを果たしてから、ASUNAはじつにさまざまな形態で活動を展開し、国内外を問わず、波紋を生み出し続けて来た。そんなASUNAの、これぞ掛け値なしの傑作と呼べる大作が誕生した。アルバム20枚分にもおよぶ膨大な音源の中から、同一の方向性を持った楽曲を非コンセプチュアルに選び、"those disc"と"these disc"に分けて収録したのが本作だ。"those disc"にはフィールドレコーディング、電子音、オルガンのドローンに、テープに残っていたというASUNA自身が生まれた時に発した泣き声なども登場する。"these disc"は人声とギター・ノイズ、多彩な弦楽器、オルガンのドローンで構成された、室内楽的でストイックなムードが漂う。どの曲にも固有な意思表示はなく、細かい拡散と収斂を繰り返す―つまり、発せられた音の移り変わりと、表情の豊かな変化を楽しむものだ。儚く深い音の鼓動がなんとも言えない感動を生む。
冨田明宏 - 『CD Journal』 2008年11月号 誌上より転載。


極めて私的であり、また不思議と詩的ですらある抽象作曲家=asunaの音世界。聴く者の感情と共鳴、もしくはある種の感情増幅装置として機能する基本効能は押さえながらも、作家性の塊たるポエジーすら聴こえるのはどういうことか。確かな存在感を誇示する作家個人の美学が、現実との間で産み落とした「違和感」という名の落とし子。彼こそが、「他者」である我々リスナーにとって、その世界に入り込む唯一の「門」となり、抽象音楽の深淵を覗かせるウェルギリウスとして動き出す。抽象芸術における美意識の顕在化を再検証する上でも、これから10年は何度も立ち返らざるを得ないであろう重要な一枚。
■ mcatm - 『TRASH UP!!』 03号 誌上より転載。


「柔らかな繭に包まれるような」  とても繊細で、とても可憐な微小の音の粒が無数に散りばめられ、涼やかな風になびく草花のようにゆらゆらと揺れ動きながら、少しずつ変幻していくドローンミュージックの快作。フィールドレコーディングや生楽器、リードオルガン、電子音、エレキギター、チェロやクラリネットといったクラシック楽器から果ては自身の生まれた瞬間の産声(彼が生まれた病院にはその瞬間の音を録音するサービスがあったらしい)までを感性の赴くままに切り取り、ナイーヴな手つきでコラージュしたであろう結果できあがったサウンドスケープは、まるで最初から我々の心の中にあった美しき生命の原風景のようで、不思議なノスタルジーを呼び覚ます。生命の神秘に触れるような、荘厳で安らかな音楽体験。
■ 有泉智子 - 『MUSICA』 2008年11月号 誌上より転載。


活動初期、などで販売されたカセット・テープ作品によって注目を集めたASUNA。99年から08年まで継続的に録りためた膨大な音源の中から厳選/再構築し、まとめ上げた集大成、2枚組アルバム『THIS』。ドローン・ミュージックの傑作。ASUNA自身が生まれた瞬間に録音された、分娩室での産声も使われていたりする。
■ 富樫勲 - 『BARFOUT!』 2008年11月号 誌上より転載。


独自のドローンを主体とした作品を出し続けている即興系音楽家ASUNAの、99年から08年までの膨大な音源からセレクトし、再構築した、2枚組のベスト・アルバム的な作品だ。2枚のディスクは"those disc"がリード・オルガンやシンセ、電子音中心、もうひとつの"these disc"がギター、チェロ、ヴァイオリンなどが中心になっている。しかし2枚で大きな違いがあるわけでなく、ひとつの荘厳なムードが一貫している。最初に子供の声や水の音など物音のコラージュ的エディットがあり、そこからリード・オルガンのドローンが延々と続いていく。音の壁のようなドローンは絶えず変化しながらうねり、まるで雲海のような壮大な音像を描いていく。2枚目になるとアコギをメインとしたアンサンブルがあり、やわらかくやさしい音色が穏やかな印象。最後は再びギターのドローンで締めくくる。多様な楽器を使ってドローンの可能性を試みているのが、実に斬新に思えるアルバムだ。同時に特筆すべきは、時としてインナー・マインド的な、ディープなサウンドになっていくところ。彼の生誕時の泣き声も入っているらしいが、自らの内面的な根源を追求したような作品といえるのかもしれない。
■ 小山守 - 『INDIES ISSUE』 2008年10/11月号 誌上より転載。


「ドローン・ミュージックの新次元を堪能できる作品」  オルガンなどの生演奏にフィールド・レコーディング素材を組み合わせるスタイルで、アンビエントやサイケなドローン・ミュージックを発表してきた邦人アーティスト、ASUNA。本作は全6曲で2枚組という大作で、過去に録りためられた膨大な音源より構築された楽曲を収録している。長尺かつアブストラクトなインスト曲を中心に、精密な構成力を堪能できる作品だ。
■ 『Sound & Recording Magazine』 2008年11月号 誌上より転載。


国内外のレーベルからリリースを続け、海外アーティストとの共演も多い音楽家ASUNAが、アルバム20枚分にも及ぶ膨大な音源から厳選した大作6曲を収めた、集大成的2枚組アルバムを発表。チリチリとしたノイズ、電子音、弦楽器の響き、サンプリング、そして生楽器とエレクトロニクスによるアンビエントなドローンが全編を覆う。ゆっくりと移り変わる音の群れに恍惚となる一枚。krankyやraster-noton好きにも是非。
■ 『CLUB JUICE』 2008年10月号 誌上より転載。


リード・オルガンなどの生楽器とエレクトロニクスを融合させ、アンビエントからドローン・ミュージックまで、独創的な楽曲を作り続けている電子音楽家が2 枚組の新作を発表した。約10年の間に制作された膨大な音源を厳選収録し、マスタリングに元□□□の南波一海を起用。水面のように揺れ、光の如く煌きながら表情を変える、美しく緻密なサウンド・アートに圧倒される。繊細と強靭、優雅と不穏が同居した彼の集大成作!
■ 郡司和歌 - 『bounce』 2008年11月号 誌上より転載。


80年石川県生まれの音楽家・ASUNAが、99年から2008年まで録りためていた音源をまとめた2枚組アルバム。ディスク1は鍵盤楽器中心、ディスク2は弦楽器中心といえばいいか。シンプルな音の群れが、やけに心にひっかかる。ジャケットも秀逸。
■ 原田和典 - 『CD Journal』 2008年12月号 誌上より転載。


様々な楽器を使いフィールドレコーディングされた素材との融合にて神秘的な作り出すドローンは、まさに唯一無二。学生時代から音源を発表し、スペインの良質レーベル[Lucky Kitchen]などの海外からもリリースをしている彼の、2008年にHEADZからリリースしたものがこの『THIS』である。1999年〜2008年までの膨大なアーカイヴから厳選された6曲には、リード・オルガンをメインとした洗練されたアンビエントや、日常の音をことごとくミクロにカットアップしたサイケデリックまで、まさにドローンの可能性と神秘性をジャンルを飛び越えてシンプルに僕らに届けてくれる。
■ ミト (clammbon) - 『MMMRadio Psychedelic』 2009年Vol.10でのレビューより転載。


Asuna's THIS (vector 11/HEADZ 123): The music of Asuna has always held a special mystery of discovery for me. THIS was released on vector 11/HEADZ 123 in October of 2008, but I only received it early in January, 2009. Immediately it is a fascinating work, composed over nine years, and it definitely shows from its grace, effortless cohesion, and uninhibited gentleness. In two discs, and only six tracks total, it feels new with each new listen. From field recordings, unprocessed organ, shattering blips of electronics, to processed soundscapes, it never loses its focus, and shifts seamlessly, without interruption, from completely processed, to totally acoustic and back again, with an ease many artists in the world wish they could harness. Asuna's 2009 release Flowers on New York's Music Related label isn't far behind, even containing a ‘hip-hop field recording,' but for now, THIS stands as my pick of the year.
■ Will Long (celer) - 『textura 2009 artists' picks』 誌上より転載。


生楽器やエレクトロニクスを用いて様々な形態のアンビエントサウンドを生み出している音楽家ASUNAが、99年から08年までに録り貯めしたアルバム20枚分ぐらいはあるであろう膨大な自身のライブラリーから選りすぐった6曲を2枚組みのアルバムにしてリリースした作品。今作では長尺のドローンミュージックを中心に収録していて、どの曲もサイケデリックでドリーミーな質感を保っている。ロバート・フリップブライアン・イーノがかつてリリースしたアンビエント・アルバムにも匹敵する内容の濃い作品となっています。アンビエントミュージックファンはもちろんストーナーロックファンにまで聴いて欲しい作品です。
■ 『Sunrain Records』 店舗CDの推薦文より転載。


Asunaの音楽を初めて聴いたのは、確か当時、小さなギャラリーやイベントスペースで行われていたTELEKMUSIKっていうイベントでだ。小さなスペースで鳴らされる小さな音楽たちに魅了されたのもちょうどあのくらいの頃かもしれない。オルガンからウォーミーなドローンを鳴らすAsunaのたたずまい、どこが始まりで、どこが終わりなんだか分からない音楽、きっとこの人はこれからもずっとずっと、好きな音楽を続けていくんじゃないか、そんなことを思った、気がする。それから国内も国内外も関係なく、いろんな所からAsunaの音楽がささやかに発表された。そう、magic bookがまだ誰も知らないようなレーベルだった時から、こころよく僕が企画したコンピにも参加してくれた。そんなAsunaの1999年から2008年までを総括する2枚組アルバムがHEADZからリリースされた。アルバムにすると、20枚相当にも及ぶ膨大な量の音源の中から選びぬかれた6編のアンビエント/ドローンミュージック。あったかい空気、静かな時間、香ばしい匂い、ほころんだ布、透明な午後、輝く公園、古びた写真、みんなの声、移動する季節、また来る季節、前に観た景色、初めての音、別れの涙、涙の味、お母さんと歩いた商店街とか、今はすっかり変わっちゃったあの曲がり角とか、いろんな思い出が、永遠に続いてくれそうな、こんな音を聴いていると、駆け巡ったりする。
■ 『magic book records』 ウェブサイト上より転載。



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asuna - i am always fighting against the misunderstanding.

















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