- asuna
天本健一 「建築模型」によせて
「warmth swarms」
うちの実家は撚糸工場を営んでいて、母家のすぐそばにあるので、小さい頃の遊び場といったらその工場のあちこちでした。段ボール箱が幾重にも重ねてある倉庫で、空になった箱を好きなように配置して、自分の家に見立てた段ボール箱の部屋はとても暖かく、その中で工場の撚糸機械の音を聞いているうちに、そのままうとうとと眠ってしまってうことが度々ありました。そして晩御飯を食べに母家へ帰る両親が自分を起こしにくるわけです。
「with a window」
ポツリと寄り添う家がいくつか。
あまりにもポツリとしているので、建っているというよりも、置かれている感じ。
部屋で読む物語。片手にはコーヒー。
読み終えたら窓から外をみる。
□ ASUNA
(2004.11.09)