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浅利篤

『児童画の秘密』

1951年に著者によって発見され、膨大な実証例によって評価を得てきた浅利児童画診断法と名づけられた日本児童画研究について。無意識に描かれた子どもの絵に表れる色彩、形態、構図によって、絵から子どもの心理、性格、家庭環境や健康状態等を理解することができるという。初めて聞くものにとってはにわかに信じがたいが、生理学や心理学、脳科学にも触れながら実証例を元に書き進められていく。「アサリ紫」が有名。当時、よほど反対論者が多かったのか牽制的な文章が目立つが、今日では児童画研究の基礎となって広く支持されているようだ。色彩と人間心理の関係を探る黎明期から萌芽期の書物として興味深い。







□ ASUNA

(2006.09.09)